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旅行先でたくさん写真を撮りたいとき、カメラの予備バッテリーを何個か持っていく人は多いでしょう。でも、飛行機に乗るときは「予備バッテリーはスーツケースに入れていい?」「何個まで持てる?」と迷うことがあります。スマホ用のモバイルバッテリーも一緒に持っていくなら、なおさらです。
この記事では、国土交通省 航空局安全部安全政策課の報道発表資料「モバイルバッテリーの機内持込みの新たなルールについて」(令和8年4月14日)と、その別紙「【旅客の皆様へ】モバイルバッテリーの持込みについて」をもとに、カメラの予備バッテリーを飛行機で運ぶときのルールを5つのポイントで整理します。後半の、撮影旅行の荷造りの工夫は、この記事の提案です。
※ルールは変わることがあります。また、航空会社によって、より厳しいルールを設けている場合があります。搭乗前に、国土交通省と利用する航空会社の案内を確かめてください。
カメラの予備バッテリーは「予備の電池」
予備の電池とは
国土交通省の別紙では、「予備の電池(リチウムイオン電池)」の例として、デジタルカメラなどの電子機器の予備バッテリーと、電子機器から取り外したものが挙げられています。カメラ用の交換バッテリーは、この「予備の電池」にあたります。
モバイルバッテリーとの違い
一方、「モバイルバッテリー」は、リチウムイオン電池を内蔵するもので、他の電子機器を充電する目的のものとされています。スマホを充電するためのバッテリーはこちらです。
発煙・発火のおそれ
別紙では、モバイルバッテリーに使われているリチウムイオン電池は、衝撃や損傷などにより発煙・発火に至るおそれがあると説明されています。
| 種類 | 別紙に書かれている例 |
|---|---|
| 予備の電池 | デジタルカメラなどの予備バッテリー、電子機器から取り外したもの |
| モバイルバッテリー | リチウムイオン電池を内蔵し、他の電子機器を充電する目的のもの |
飛行機でのルール5つのポイント
1. 預け入れ手荷物に入れない
別紙では、預入(受託)手荷物に入れることは禁止されていて、機内に持ち込むよう案内されています。
2. ワット時定格量は160Whまで
ワット時定格量が160Whを超えるものは、持ち込みが禁止されていると書かれています。
3. ショートしないように1つずつ保護
端子に絶縁テープを貼る、ケースや収納袋に入れる、複数のバッテリーや金属品と同じ袋に入れないなど、ショートを防ぐよう案内されています。
4. 100Wh以下の予備の電池は個数制限なし
別紙の図では、100Wh以下の予備の電池は個数制限なしとされています。一方、100Wh超〜160Wh以下の予備の電池は、持っているモバイルバッテリーの容量によって、持ち込める個数が変わります。
5. モバイルバッテリーは2個まで
令和8年4月24日から、機内持込みのモバイルバッテリーは2個(160Wh以下に限る)までとされました。あわせて、機内でモバイルバッテリーへ充電しないこと、モバイルバッテリーから他の電子機器へ充電しないことも新たなルールとして示されています。
5つのポイント早見表
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 預け入れ | 禁止(機内に持ち込む) |
| 容量 | 160Whを超えるものは持ち込み禁止 |
| ショート対策 | 絶縁テープ・ケースなどで1つずつ保護 |
| 100Wh以下の予備の電池 | 個数制限なし |
| モバイルバッテリー | 2個まで(令和8年4月24日から) |
100Wh超〜160Wh以下の予備の電池の個数
モバイルバッテリーとの組み合わせで決まる
別紙の図では、モバイルバッテリーの持ち方ごとに、100Wh超〜160Wh以下の予備の電池を何個持てるかが示されています。
| モバイルバッテリーの持ち方 | 100Wh以下の予備の電池 | 100Wh超〜160Wh以下の予備の電池 |
|---|---|---|
| 100Wh以下を2個 | 個数制限なし | 2個まで |
| 100Wh超〜160Wh以下を2個 | 個数制限なし | 持込み不可 |
| 100Wh以下と100Wh超〜160Wh以下を各1個 | 個数制限なし | 1個まで |
大きなバッテリーほど注意
表を見ると、100Wh超〜160Wh以下の大きなモバイルバッテリーを持つほど、同じ大きさの予備の電池を持てる数が減ることが分かります。動画撮影用などの大きなバッテリーを持っていくときは、特に組み合わせを確かめておきましょう。
ワット時定格量の計算方法
計算式
別紙では、ワット時定格量(Wh)は、定格容量(Ah)×定格電圧(V)で計算できると説明されています。定格容量がmAhで書かれている場合は、定格容量(mAh)×定格電圧(V)÷1,000です。
別紙の例
別紙では例として、定格容量27,000mAh、定格電圧3.7Vのものが99.9Whと示されています。27,000×3.7÷1,000=99.9です。
カメラのバッテリーで計算してみる
この記事での計算例です。たとえば、定格容量2,000mAh、定格電圧7.2Vと書かれたバッテリーなら、2,000×7.2÷1,000=14.4Whになります。実際に持っていくバッテリーの数字は、本体のラベルなどで確かめてください。
| 書かれている数字 | 計算 | ワット時定格量 |
|---|---|---|
| 27,000mAh・3.7V(別紙の例) | 27,000×3.7÷1,000 | 99.9Wh |
| 2,000mAh・7.2V(この記事の例) | 2,000×7.2÷1,000 | 14.4Wh |
機内での扱い
収納棚に入れない
別紙では、モバイルバッテリーは座席上の収納棚に収納せず、座席ポケットなど手元に保管するよう案内されています。
機内でモバイルバッテリーを充電しない
機内電源などからモバイルバッテリーへ充電することは禁止されていると書かれています。
電子機器の充電は機内の電源から
モバイルバッテリーから他の電子機器への充電はしないでください、と案内されています。電子機器の充電は、機内備え付けの電源から行うよう書かれています。
違反すると罰則の可能性
別紙では、預け入れの禁止、160Whの上限、ショート対策、個数、機内での充電の禁止に違反した場合、航空法により罰則が科される可能性があると注意されています。
持ち込めなかったときは
宅配便でも運べない場合がある
別紙では、持ち込みできなかったモバイルバッテリーなどは、宅配便などによる貨物としても航空輸送できない場合があると書かれています。
運送事業者に申告する
その場合は、宅配便などの運送事業者へ確実に申告したうえで、運送事業者の指示に従うよう案内されています。
新しいルールの背景
国土交通省の報道発表資料では、国内外で機内でのモバイルバッテリーの発煙・発火などの事例が発生していて、国際民間航空機関(ICAO)が定める国際基準の緊急改訂を受けて、国内の基準も変更したと説明されています。
ルールが変わった流れ
もともとの基準
国土交通省の報道発表資料では、国土交通省はICAOが定める国際基準に基づいて、モバイルバッテリーを航空輸送する際の安全基準を定めていて、預け入れ荷物にモバイルバッテリーを入れることを禁止しているほか、個数・容量を制限していると説明されています。
国際基準の緊急改訂
全世界的に航空機内でのリチウム電池に関連する火災の発生が増えたことから、ICAOで対応が検討され、国際基準の緊急改訂案が3月27日(現地時間)にICAO理事会で承認され、即日適用されたと書かれています。
国内の基準の変更
国内では2月27日から意見公募が行われていましたが、ICAOの緊急改訂を受けて、「航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示」などの一部改正を行い、令和8年4月24日(金)から新たなルールを適用するとされました。
| 時期 | できごと(報道発表資料より) |
|---|---|
| 2月27日 | 国内で意見公募を開始 |
| 3月27日(現地時間) | ICAO理事会が緊急改訂案を承認、即日適用 |
| 4月14日 | 国土交通省が新たなルールを発表 |
| 4月24日 | 新たなルールの適用開始 |
航空会社のルールも確認
別紙では、航空会社によってはより厳しいルールを設けている場合があるので、各航空会社の指示に従うよう書かれています。
撮影旅行の荷造りの工夫
ここからは、国土交通省の資料をもとにした、この記事の提案です。
バッテリーは1つずつケースへ
予備バッテリーは端子を守るケースに1つずつ入れ、手荷物のバッグにまとめておくと、保安検査の前に慌てずにすみます。
出発前にWhを書き出す
カメラの予備バッテリーとモバイルバッテリーのWhを、出発前にメモしておくと、組み合わせのルールを確かめやすくなります。
カメラの中のバッテリーにも注意
カメラ本体に入ったバッテリーの扱いについては、この記事の資料では詳しく触れられていません。カメラをスーツケースに入れたいときは、利用する航空会社の案内を確かめてください。
よくある質問
カメラの予備バッテリーは預けられる?
国土交通省の別紙では、予備の電池を含め、預入(受託)手荷物に入れることは禁止されていて、機内に持ち込むよう案内されています。
予備バッテリーは何個まで?
100Wh以下の予備の電池は個数制限なしとされています。100Wh超〜160Wh以下の予備の電池は、モバイルバッテリーの持ち方によって、2個まで・1個まで・持込み不可に分かれます。
機内でカメラを充電していい?
国土交通省の別紙では、モバイルバッテリーから他の電子機器へ充電しないよう案内され、電子機器の充電は機内備え付けの電源から行うよう書かれています。機内の電源の有無や使い方は、航空会社の案内を確かめてください。
Whが書かれていないときは?
別紙の計算式を使えば、定格容量と定格電圧からWhを計算できます。どちらも分からないときは、メーカーや航空会社に問い合わせると安心です。
モバイルバッテリーは何個まで?
令和8年4月24日から、2個(160Wh以下に限る)までとされています。
カメラの予備バッテリーは手荷物で、端子を守って
国土交通省の資料では、カメラの予備バッテリーなどの予備の電池は、預け入れ手荷物に入れることが禁止され、機内に持ち込むよう案内されています。160Whを超えるものは持ち込み禁止で、100Wh以下の予備の電池は個数制限なしです。令和8年4月24日からはモバイルバッテリーが2個までとなり、機内での充電のルールも加わりました。出発前にWhを確かめ、端子を守るケースに入れて持っていきましょう。